世界最大級の祭典「ISE 2026」が開幕!
広大な会場は8つのホールに分かれ、スマートビルディングからエンターテインメントまで、専門分野ごとに最新ソリューションがひしめき合っています。
・Hall 1/2: 住宅・ビルオートメーション、教育用ディスプレイ、Web会議システム
・Hall 3/5: インフラ、制御システム
・Hall 4: 屋外広告用サイネージ、放送機器、カメラ、コンテンツ制作・配信システム
・Hall 6: 照明機材、ステージ設営、トラス、リギング、ホログラフィ、プロジェクションマッピング
・Hall 7/8: スピーカー、アンプ、ミキシングコンソール、音声ネットワーク技術
LEDの進化:ディスプレイから「建築の構成要素」へ
今年のISEで印象的だったのは、LEDの利用拡大です。
会場では、曲面や透明なLED、さらには壁面そのものが発光するような「建築一体型LED」が多数展示されていました。これらは空間の雰囲気を一瞬で変える「動く内装」として、ラグジュアリーホテルやオフィスデザインに新たな可能性を提示しています。
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インフラの変革:映像伝送規格のアップデート
美しい映像空間を裏で支えるのが、HDBaseT 3.0やAV-over-IPといった映像伝送技術です。これらの技術が標準化・普及することで、大規模な商業施設やオフィスビル全体を、遅延のない一つの巨大なキャンバスとして制御・演出することが現実のものとなっています。
DPSJ 国内取扱ブランド
■Magewell
映像制作の効率化を加速させるMagewellは、4K対応のマルチチャネル・ビデオキャプチャデバイスや、最新のNDI技術を統合したコンバーターを披露。複雑な配信システムを、よりシンプルに構築できるソリューションが光っていました。
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新製品 Pro Convert IP to HDMI | 4つまでのIPストリームを、1つのHDMIビデオに分割表示する「マルチビュー」機能が最大の特長長 |
■OBSBOT
AIカメラの先駆者OBSBOTは、進化したAI追跡技術を搭載したPTZカメラを発表。企業の会議室や教育現場での利用を強く意識した直感的なジェスチャーコントロール機能など、誰でも簡単にプロ並みのカメラワークを実現できる機能が話題を呼んでいます。
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新製品のTiny 3 / Tiny 3 Liteを初披露 | Tail 2、Tail Air、Talentなど既存の人気カメラも |
💡 キーワード解説
- ビデオキャプチャデバイス: カメラなどの映像信号を、パソコンで扱えるデジタルデータに変換する機器。主にカメラの映像をパソコンで配信・録画する目的で利用されます。
- NDI (Network Device Interface): SDIなど専用の映像ケーブルの代わりに、一般的なLANケーブルを用いて、高画質な映像や音声をネットワーク上でやり取りできる規格です。
- PTZカメラ: Pan(左右に振る)、Tilt(上下に振る)、Zoom(拡大・縮小)の頭文字。離れた場所からリモコンやパソコンで、レンズの向きやズームを自由自在に動かせるカメラです。
- HDBaseT 3.0: 映像、音声、電源、インターネット通信など、たくさんの信号を「1本のLANケーブル」だけで長距離伝送できる技術です。圧縮せずに送れるため、高画質のまま遅延なく届きます。
- AV-over-IP: 従来は専用のケーブルで直接つないでいた映像(AV)を、インターネットや社内ネットワーク(IP)に乗せて送受信する技術。ビル全体など、大規模な映像システムを柔軟に組むことができます。
テクノロジーがもたらす「没入感の日常化」
昨年の「ISE 2025」では、ハイブリッドワーク向け機材のAI化や、配信スタジオの高機能化といった『単体デバイスの進化』が主なトレンドでした。しかし、今年の「ISE 2026」はそこから一歩踏み込み、テクノロジーが『空間そのもの(建築)』に溶け込むフェーズへと完全に突入したと言えます。
進化したLEDが壁や天井と同化し、AV-over-IPなどの強固なインフラがそれらをシームレスに繋ぎ、さらにAIカメラが空間内の人を賢く認識する。これにより、「オフィスで働くワーカーや、商業施設・ホテルを訪れるすべての人に、無意識のうちに圧倒的な没入体験と心地よいコミュニケーションを提供する空間」が、場所を問わず実現可能になります。








映像や空間演出を手掛けるプロデューサー兼ディレクター。
ProAV Picksでは各種展示会や製品情報のレポートを中心に紹介。